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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断・治療

「いびき」「日中の眠気」…もしかして病気のサインかもしれません

  • 夜中に大きないびきをかく
  • 呼吸が止まっていると家族に言われる
  • 朝起きても疲れが取れない
  • 日中に強い眠気がある
睡眠時無呼吸症候群

こうした症状は「睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)」の代表的なサインです。 睡眠中に呼吸が繰り返し止まったり浅くなったりすることで、体に十分な酸素が行き届かなくなる病気です。
特に 中高年の男性 に多いといわれますが、女性や若い方でも発症します。
肥満・首回りの太さ・加齢などが主な原因ですが、痩せている人や子どもにも見られることがあります。

睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群

放置すると、高血圧・糖尿病・心筋梗塞・脳卒中などの生活習慣病のリスクが高まることがわかっています。

睡眠時無呼吸症候群があると高血圧は無呼吸のない方の2倍、夜間心臓突然死は2.5倍、2型糖尿病は2.29倍、脳卒中・脳梗塞は3.3倍発症しやすく、また居眠り運転における交通事故率は健常人の7倍も高いという報告もあります。

しかし、適切な診断と治療により、症状の改善と健康的な生活を取り戻すことができます。

当院の診断・検査

問診・身体診察

症状の詳細な聞き取りと、首まわりやお口の中(扁桃腺など)の診察を行います。
睡眠の質や日中の眠気の程度を評価し、睡眠時無呼吸症候群の可能性を判断します。

簡易検査(自宅でできる検査)

携帯型の検査機器をお貸しし、ご自宅でで一夜、睡眠時に指先、呼吸のセンサをつける簡単な検査です。
睡眠中の体内の酸素状態(SpO2)や、呼吸の状態を測定します。
「いびきが気になる」「まず調べてみたい」という方におすすめです。

メリット
普段通りの環境で検査可能、費用が抑えられる
検査内容
睡眠中の、「いびきの音・回数」 「呼吸の状態」 「脈拍」 「血中酸素濃度」などを測定します。
これらの結果から、無呼吸や低呼吸の回数を測定します。

精密検査(PSG:終夜睡眠ポリグラフィー)

診断により詳しい検査が必要な場合は、専門医療機関と連携して、精密検査を行います。
脳波、心電図、筋電図なども同時に測定し、睡眠の質を総合的に評価します。

主な治療方法

CPAP療法(シーパップ)

CPAP療法

  • 即効性があり、使用したその日から効果を実感
  • 日中の眠気や疲労感が改善
  • 重症例に最も効果的

鼻に装着するマスクから空気を送り込み、気道を広げる治療です。

生活習慣の改善

生活習慣の改善

  • 減量
  • 飲酒・喫煙の制限
  • 就寝時の体位の工夫(横向きで眠るなど)

軽症の方には生活習慣改善だけで症状が軽くなることもあります。

マウスピース療法

マウスピース療法

軽度から中等度の方に有効な治療法です。下顎を前方に固定し、上気道の狭窄を防ぎます。歯科医師と連携して作製します。

治療費について

項目 費用(3割負担) 備考
簡易検査 約3,000円 自宅での検査
精密検査 約11,000円 専門機関での検査
CPAP治療 約5,000円/月 機器レンタル・消耗品・診察代込み

※費用は検査内容や治療方針により異なります。詳しくは受診時にご説明いたします。
※医療費控除の対象となります。

よくある質問

Q CPAPは一生続けなければなりませんか?

体重減少や生活習慣の改善で、治療終了になることもあります。体重が10%減るとかなり軽減するとも言われています。定期的に評価を行い、治療方針を見直します。

Q 出張が多いのですが、CPAP機器は持ち運べますか?

現在のCPAP機器は小型で軽いので、専用ケースで持ち運びが可能です。海外出張がある方にも注意点をご説明します。

Q 忙しくても通えますか?

診断までの検査や説明には何度か来院が必要ですが、その後のフォローは定期通院(月1回程度)が基本です。会社帰りや土曜日にも対応しています。

Q 家族にCPAPの音がうるさいと言われませんか?

最新のCPAP機器は非常に静かで、多くの場合、いびきの音よりも小さくなります。

このような方は一度ご相談ください

  • 家族に「呼吸が止まっている」と指摘された
  • 強い眠気で仕事や運転に不安を感じる
  • 健康診断で「高血圧」「糖尿病予備群」と言われた
  • 最近、疲れが抜けず体調がすぐれない
  • 昼間から眠気がつよい
  • 最近太ってしまい寝苦しさがある

「いびきくらい…」と放置すると、思わぬ大きな病気につながることがあります。
気になる症状があれば、まずは 簡易検査 から始めてみませんか。