コラム
「毎年、梅雨になると咳が止まらない…」
「夜中に咳が続いて眠れない。」
「台風が近づくと息苦しくなる。」
このような症状はありませんか?
実は梅雨や台風の時期は、喘息や咳喘息が悪化しやすい季節として知られています。
研究によって差はありますが、気圧の低い日には喘息症状や救急受診が約20〜30%増加する報告もあります。
梅雨に咳・息苦しさが悪化するメカニズム
① 湿度が上がると気道が敏感になる
梅雨は湿度が高くなり、気道の粘膜がわずかにむくみやすくなります。 すると、
- 気温差
- 香水やたばこの煙
- 会話
- 冷たい空気
など普段は気にならない刺激でも咳が出やすくなります。
これを「気道過敏性」と呼び、喘息・咳喘息・アトピー咳嗽の患者さんでは特に起こりやすくなります。
「雨の日だけ咳が止まらない」という方は、この気道過敏性が関係している可能性があります。
② 梅雨はカビ(真菌)が増え、喘息悪化の原因になる
梅雨は室内外でカビが増えやすい季節です。
カビ(真菌)は喘息発作や長引く咳の原因となるアレルゲンとして知られています。
浴室・エアコン・押し入れ・窓際などに発生したカビは胞子となって室内に広がります。
「外出していないのに咳が悪化する」という方は、室内環境の影響を受けていることもあります。
③ ダニは梅雨から急激に増え始めます
気温25℃前後、湿度70〜80%はダニが最も繁殖しやすい環境です。
梅雨からダニが増え始め、夏にピークを迎え、その死骸やフンが秋に舞い上がることでアレルギー症状が悪化します。
そのため、梅雨から寝具の洗濯や乾燥、エアコン清掃などを行うことが、秋の喘息悪化予防にもつながります。
夜中の咳・寝られない咳は喘息のサインかもしれません
喘息では次のような症状がよくみられます。
- 夜中や明け方の咳
- 咳で何度も目が覚める
- 横になると咳が止まらない
- ゼーゼー・ヒューヒューする
- 風邪のあとだけ咳が長引く
特に夜間症状は喘息コントロールが十分ではないサインであり、放置すると悪化することがあります。
副鼻腔炎も咳や喘息悪化の原因になります
喘息の患者さんでは、副鼻腔炎を合併していることも少なくありません。
鼻づまりや後鼻漏(鼻水が喉へ流れる症状)が続くと、咳を誘発するだけでなく、気道の炎症を悪化させることがあります。
鼻と気管支の通り道は上下でつながっているの空気の通り道であるため、「鼻」と「肺」を一緒に治療する必要性があるときがあります。
症状が落ち着いていても吸入薬は続けることが重要です
「咳が止まったから吸入薬をやめてしまいました。」
と、治療を中断しますと、気道の炎症が再び悪化し、夜間の咳や喘息発作が再燃することがあります。
吸入ステロイド薬は、
- 夜中の咳を予防する
- 気道炎症を抑える
- 発作を減らす
- 肺機能の低下を防ぐ
を目的に、症状がない時期でもたとえ毎日ではなくても、吸入を継続することが大切です。
ご自宅でできる梅雨の喘息対策
- エアコンフィルターを定期的に掃除する
- 除湿機やエアコンで湿度を50〜60%程度に保つ
- 寝具をこまめに洗濯・乾燥する
- 室内のカビ対策を行う
- 医師の指示どおり吸入薬を継続する
- 鼻づまりや副鼻腔炎の症状も放置しない
「梅雨になると咳が悪化する」「夜中の咳で眠れない」「吸入薬を続けるべきか相談したい」という方は、お気軽にご相談ください。
FAQ
Q. 梅雨になると咳が悪化するのはなぜですか?
湿度の上昇による気道過敏性の亢進、カビやダニなどのアレルゲン増加、気圧の変化などが重なり、喘息や咳喘息の症状が悪化しやすくなるためです。
Q. 夜中の咳は喘息の可能性がありますか?
夜間や明け方の咳は喘息や咳喘息の代表的な症状の一つです。特に2~3週間以上続く咳や繰り返す咳はさらに悪化する可能性があり、気軽にご相談ください。
Q. 副鼻腔炎は喘息に影響しますか?
はい。副鼻腔炎や後鼻漏は咳の原因となるだけでなく、喘息のコントロールを悪化させることがあります。鼻と気管支を一緒に診ることが大切です。
